お問い合わせ

臨床実習病院体験記

 

雲南市立病院

 雲南市立病院

すでに島根大学の学生さんにはよく知られていることではありますが、「雲南の朝は早い」。朝7時30分からカンファレンスが始まります。これでも遅くなったのだ、とのこと、以前は6時45分開始だったそうですから。まずこの時点で心折れそう、という印象を受ける人が多いらしくて、個人的には勿体無いな~と思いました。それだけの理由でこの素晴らしい実習を受ける機会を逃すわけですから。まあ逆に、意識低い系の人を寄せ付けない、という意味ではうまくいっている、という見方もできるのかもしれません。

雲南3

 

朝早い時点で大変だと思うかもしれませんが、慣れると意外に大丈夫、というか午前中に時間がたっぷりあるため、スイスイ仕事が進みこれが快適ですよ。私自身、普段起きている時間に起きて十分間に合うタイミングでした!

 

カンファレンスは研修医の先生がプレゼンをされ、指導医の先生からのコメントや確認が入ったりします。結構こちらの病院は「勉強になる」とのことで各地から研修医の先生の短期研修を受け入れておられるためか、研修医の先生の入れ替わりがあるようです。どの先生も積極的にご質問されながら、学生さんの指導にも力を入れてくださっている印象でした。

 

学生さんはカンファレンスに陪席し、時折振られることに答えたりしながら過ごされます。検査の決定・提出は学生さんが主体的にかなりなさっていました。訪問した日は抗菌薬の議論が(GNR smallかmiddleかなどなど……)教育的に行われていました。

 

そして訪問の担当を決めてカンファレンスは終了。その日の訪問患者さんは5名でした。こちらに学生さんが同行することもできます。訪問した日は4週間の実習のうち3週目でした。2週目(前週)には訪問診療に同行していたとのことで、学生さんはそこでも多くの学びを得ていたようです。

 

カンファレンスが終了してから上級医の先生の回診に学生さん含め4.5人で同行します。新しい入院の人+気になる人、合計10人くらいでしょうか。同行しつつ時々手技が入ると学生さんはそちらに行ったり、入院患者さんの発熱・ショックのケースではワークアップとG染をやったり、鑑別診断を考えて調べたり、必要な検査を見に行ったり、都度都度そこにおられる症例によって柔軟に、どんどん何でもやらせて頂ける印象です。

 

雲南1

 

回診の後は、普段は救急外来か一般外来で初診患者の問診を取ったりするとのことでしたが、訪問時は回診とそれに付随する検査あれこれが多かったので、一旦自習時間となり調べ物をされていました。外来の問診時、学生さんは直接オーダー入力ははしないものの、どの検査が必要か考える機会は頂いているとのことです。

 

電子カルテPCは学生さん1人に1台、PHSも各自に貸与いただき、大変恵まれた環境でした。これも総診の熱い先生方と事務の方とのこれまでのご尽力の賜物だとのことです。

 

雲南2

 

ゆったりした学生さん控室!

 

基本的な実習の方針は、一緒にいろいろなことをやってその都度フィードバック。学生さんに聞いていても、その場でこれでよかったのか、もっとこうすればよかったんだということがわかるのは助かる、とのことで、やはり「その場のフィードバック」の重要性を実感します。特に医療現場での学びには体験が必要ですが、成功と失敗の体験が出きて、その場でフィードバックがあるという環境が良い学びになるのだと実感されました。

 

数少ない「ないこと」としては、抄読会はやっていないとのことでした。座学が少ないってことですが、これは実地での学びに重きを置いておられる、ということですし、座学は大学でもいくらでもできますから……。

 

お世話になりました先生方、キャリアサポート・育成センターの勝部様はじめ関係の皆様に厚く御礼申し上げます。今後とも学生・研修医教育にご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

雲南市立病院HP 

このページのトップへ